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カストーディアルを作り上げた人は

ディズニーのテーマパークは東京だけではなく、どこでも、常にきれいに掃除がされている、というイメージがある。実際に、ウォルトは清潔なパークを作ることを最優先課題としていた。
ウォルト・ディズニーがディズニーランドを作ろうと思ったエピソードは有名だが、当時の遊園地は汚いのが当たり前だったようだ。

ウォルト・ディズニーがロサンゼルスのアナハイムにディズニーランドを作ったとき、清掃にはかなり力を入れるつもりだった。
当初、企業としては当然のごとく清掃は外注しようとした。しかし、外注先はウォルトが望むような対応ができなかった。ウォルトは、パークが常にきれいな状態を維持することを望んでいたが、外注先の企業は、契約に従って決められた時間に決められた清掃をするだけだったのだ。それでは、何かの拍子に汚れたとしても、すぐに対応はしてくれない。

「これではだめだ」と思ったウォルトは、ディズニーランド開園の年に外注ではなく直営による清掃を決断した。それが、カストーディアルの誕生である。その中心となるのが、ディズニーレジェンドの一人であるChuck Boyajian氏。ウォルトはチャックに、パークを常に清潔にしておくことを任せた。
ウォルトはただ任せっぱなしにしたわけではなく、常に清潔な状態とはどういうことか、繰り返し説明し、どういうイメージなのかを話しつづけた。
イメージだけではなく、豪華客船や高級ホテルが提供する質の高いサービスを例に話したりしたようである。

こうしてウォルトの薫陶を受けたチャックは、これまでにない画期的な清掃を開始した。それは、パーク開園中に清掃を行い、常に清潔な状態を維持管理する……「custodial」の誕生である。
もちろん、チャックだけではパークを常に清潔にすることはできない。彼は清掃チームを作り、訓練を重ねることによって、ウォルトの理念を実現したのだ。

チャックはアナハイムだけではなく、フロリダのウォルト・ディズニー・ワールド開園のときもカストーディアルの指導者として、訓練の先頭に立った。1981年にはいったん一線を退いたが、1983年、アメリカ以外、それも直営ではなくライセンスによって、東京ディズニーランドができるときに現役復帰し、日本人のトレーナーたちを指導した。少なくとも、東京ディズニーランド開園から10年くらいは、チャックに教えられた人たちが、TDLのカストーディアルをけん引していたのは事実である。

チャックは2004年8月1日に亡くなった。彼は2005年に「Disney Legend」に選ばれている。

チャックがいなくても、ウォルトの情熱と信念によってカストーディアルは誕生していただろう。しかし、今のような姿ではなかったかもしれない。
ただ、アメリカのパークのカストーディアルはチャックが作り上げた姿からはずいぶん変わってしまったように見える。さて、東京ディズニーリゾートのカストーディアルを今、チャックが見たらどう思うだろうか。

Chuck Boyajian氏とは

Disney parks blog

チャック氏から直接指導を受けたエピソードも入った鎌田洋氏による本。

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