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「あなたの役割はなんですか?」―一生の仕事が見つかるディズニーの教え―

この本にはカストーディアルの話は少ししかないのだが、あえてここで紹介するのは、著者の大住さんがカストーディアルのワーキングリードをされていたからである。その後、第二テーマパークの計画立案、キャンプネポスの企画から運営までを担当されたあと独立し、難病と闘う子どもとその家族への支援を行う活動に邁進されている。それに、キャストのときにお世話になったこともあったような気がする。

さて本書は、日経BPからの出版であるが、ビジネス書というよりも、難病と闘う子どもとその家族への支援を行う活動とそれに携わるようになった著者の生き方についての話である。ただ、それだけでは売れないので、ディズニーの話を入れたという感じである。そのため、本の構成としてはあまりよいものではなく、たしかにディズニーの話がなければ一般的にはおもしろくない本だといえよう。
一方で、ディズニーでの経験と、難病と闘う子どもとその家族への支援を行う活動をリンクさせた話にすることで、多くの人に共感を得られる内容になっているともいえるだろう。

本の趣旨とは違うが、このブログはディズニー系でカストーディアル系なので、その部分だけに絞って取り上げる。
そういう意味でのこの本のキーワードは「あなたの役割はなんですか(What is your mission?)」だろう。
ディズニーでは仕事を「Duty(作業)」と「Mission(ミッション)」に分けられている。作業はマニュアルで細かく定められており、だれでも同じ結果が得られるものと定義されている。それに対してミッションは、役割を理解して遂行するもの、ということだという。
カストーディアルであれば「掃除を通してゲストにハピネスを与える」とでもいうのだろうか(今はなんていってるかわからないからあいまいにしておこう)。たしかにキャストは決められた仕事を処理するだけではなく「キャスト」としての役割を理解して行動している人が多いのではないだろうか。それは繰り返しトレーニングなどで教え込まれることである。

カストーディアルのことでいえばゴミ箱の設置間隔と人の心理について記されている。そのうちネタにしようとしていた話なので残念。
それはともかく、とくに「そうだそうだ」と思ったのが以下の文章である。
「実は、カストーディアルの存在がゴミをポイ捨てさせにくくしているのだ。カストーディアルが本気で掃除をしている姿を見ると、ゲストは心理的にポイ捨てできなくなるのである。それで、自分でゴミ箱まで持っていってくれるのだ」(p46)
果たして、今、それくらいの本気の掃除をしているキャストはどれくらいいるだろう。当時と方針が違うのだから仕方ない。
そうするとやはり問題となるのは「役割」なのだが、今のキャストはどうこたえるのだろうか。

マニュアルについてもそれほど多い情報ではないが、ディズニーの特色をきちんと的確に書いてある。こちらについてはそのうち、違うブログで解説したい。

それと、「クマさん」という人がでてくるが、あの人かなぁ、というイメージはある。とても物腰は柔らかい、とても大柄の人だ。カントリーベアシアターのクマさんのような感じだった。「ひたすら歩け」と確かに言われたような気がする。パークで見かけたことはないような気がするが、今はどこに配属されているのだろう。

……そんなパークに関する記述を読みながら、この本のメインである難病と闘う子どもとその家族への支援を行う活動や、その活動に投じた著者の思い、これまでの生き方についても読ませていただいた。
それは著者が投げかけているように「あなたの役割はなんですか」という、ディズニーで常に投げかけている言葉に通じるものである。著者はそれを人生における役割ととらえ、この活動に自らを投じたのだ。
では、あなたは「あなたの役割はなんですか」と問われたときに、どうこたえられるだろうか。企業の中で、社会の中で、学校の中で、家族の中で、グループの中で……あなたの役割はなんですか、と問われたときにどう応えるだろう。
この本は「ディズニー」の本としては不十分だが、役割を考える、振り返るための助力とはなるだろう。

最後はこのブログらしく、今のカストーディアルキャストに問います。「あなたの役割はなんですか?」。

参考:代表 大住 力のブログ

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