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ディズニーの教え方

ディズニー系の本はたくさん出ている。内容は千差万別。部外者が書いているにもかかわらず、わりとよい内容のものもあれば、元キャストや社員が書いているにもかかわらず、中身が薄かったり、間違っていることを書いているものもある。
いろんな本があるのだが、不思議なことにカストーディアルに視点を当てた本はまだでていない。あるいは、本の中で言及しているものもあるが、だいたいは一般的な話か、あきらかによく知らない人が書いたであろう記述もある。

その中で、最近な出た本に、カストーディアルに関する記述部分が比較的的よく書けているものがあったので紹介する。

この方は運営会社でキャスト教育やマニュアルの運営管理などに従事していた元社員である。もともとはアトラクションの方なので、そちらの話も多いが、カストーディアルについても以下のような記述がある。

たとえば、「後輩のモチベーションを高める」というchapterで
「オープンして数年間、東京ディズニーランドで最も不人気なのがカストーディアルという部署でした」(P165)
ここでは、社員にも準社員にも不人気だったカストーディアルが、繰り返し重要性を伝えることで意識を変えていったという事例が書かれていた。
●カストーディアルは清掃担当ではなく、管理するとか保護するという意味
●カストーディアルは自由にエリアを歩き回るので、困っているゲストを助ける存在
→カストーディアルには「パークを清潔に管理する」「ゲストを保護する」という意味が込められている。

このようなことを繰り返し上司や先輩から、後輩や新人に伝えることで、気持ちを変えていき、自分たちの仕事に誇りをもつようになったということだ。

また、正社員として入社した人が3か月以上にわたって受ける新人研修のうち、1か月間をカストーディアル実習とするのも、会社がいかにカストーディアルを重視しているのか、正社員に伝えると同時に、アルバイトにも伝える効果があるということだ。
それは、サンクスデーで毎回、社長がカストーディアルキャストになることも同じ意味であり、そして、とくにこの仕事を担っているキャストに対するキャストへの感謝の意味もあるのだという。

今では人気職種といわれるカストーディアルは自分たちの仕事の幅を広げ、ミッキーの絵をかいたり、ローラーブレードが登場したり、仕事のスキルに応じた段位を考えたのもアルバイトであり、カストーディアルがいかに誇りを持って働いているのかということも書いてある。

もうひとつ、ディズニーでは指示をするときに意味・理由も伝えるのが常識という話で、スイーパーのときの体勢や、ダストパンを持ち方を教える時の事例も載っている。
(あまり書いてしまうと引用でなくなってしまうので割愛)

ここまで具体的にカストーディアルの話を書いた本はほかにないだろう。自分が担当しなければ書けないような話だ。
体勢の話など、これを読んで「ああ。そんなこといわれたような」と思い出したのであった。

本自体におけるカストーディアルの記述の割合は少ないが、とても具体的だ。興味のある方は一度読んでみたらいいと思う。

さて、この本全体についての感想でいえば、少し不満だ。「ディズニーの教え方」について、細かく書かれており、理論や考え方はよくわかる内容だった。心理学的な視点で書かれており、今まで発刊されているディズニー系のこの手の本とは、一線を画している内容だ。ただ、一方で事例がとても少ない。著者の経歴からして、本当はいろいろな事例を持っているのかもしれないが、あえて書かなかったのだろうか。それとも、あの本の事件の影響か……。

それはともかく、ディズニーということは差し引いても、人材育成方法やリーダーシップを学ぶ本としても有効だと思う。

この方はマニュアルの専門家でもあるので、次はその話を書いてほしいなと思う。

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