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カストーディアルのエンターテイメント性

カストーディアルは東京ディズニーリゾートを掃除をする人であると同時に、エンターテイメントな存在であるともいえる。それが、ほかの「掃除をする人」と大きく違う点である。
エンターテイメントといわれる所以は、掃除をする姿……スイーピングである。トイブルームとダストパンをテンポよく動かし、踊っているようにも見えるような動作。バッドショーぎりぎりの動き。思わずポップコーンの箱をひっくり換えして呆然とする子どもの前で、一瞬のうちに「ごみ」を消し去り、新しいポップコーンを差し出す姿。
スイーピングだけではない。動きを機敏にすることにって、ごみの回収も、トイレの便器拭きも、エンターテイメントのように見てしまうゲストがいる。
その意味で、テーマパークにおけるカストーディアル「掃除の人」は、常に動きが機敏ですばやいことが求められる。それだけで、単なる掃除ではなく、エンターテイメントに見えるのだ。逆に、夢と魔法の王国で、駅の掃除の人のように、歳をとった人がゆっくりと掃除しているすがたを見せれば、それは単なる現実になってしまうということである。そういう意味では、エンターテイメントとは、見ている人を感心させる、ということが大切なのだろう。

……カストーディアルのエンターテイメント性とはそういう部分だったはずだが、スケートをはいたカストーディアル……カストーディアル・ブレードの出現によって、変化した。

カストーディアルとは似て非なるもの……エンターテイメントとしての「掃除をする人」の誕生であった。
スケートを滑らせながらのスイーピングは、実用的ではない。だが、彼らに「掃除」は期待されてはいないのだ。あくまでもパフォーマーとしての存在。すでに彼らは、本当の「エンターテイメント」になってしまったのだ。掃除をエンターテイメントにまで高めたカストーディアルとは、まったく違う存在なのである。
ふだんは普通のカストーディアルとして活動している彼らたでが、出番がくれば、スケートを履き、プロテクターを身につけ、オンステージに現れるのだ。

それだけではない。いつの間にか、「誕生日です」という子どもに、シールを上げるというサービスを始めた。カストーディアルのポケットには、たくさんのキャラクターの顔のシールが入っている。誕生日だと申告した子どもに名前を聞いて、シールに書き込み、プレゼントするのだ。そのシールを身につけると、行く先々で「誕生日おめでとう」といろんなキャストが声をかけてくれる。
子ども限定というわけではないが、本来想定したのは子ども。しかし、大人が申し出ることも多く、本当に誕生日なのかどうかもあやしいらしい。
だがこれも、いつの間にか、カストーディアルの重要な仕事のひとつとなっている。これも、掃除の枠を超えた、一種のエンターテイメントなのだろう。
その発展系なのか、手品を使ってシールを渡すというカストーディアルまで現れた。それも、あるテレビ番組で「みんなができる」とし紹介したため、かなりのカストが迷惑したようだ。だが、手品をすること自体は許されたわけで、「掃除だけ」のカストーディアルとしては、かなり異例なことである。

そんな流れの中でびっくりしたのが、2005年のハロウィンイベントのときである。いつものとおり、この期間だけの特別なパレードが実施された。それも、途中でとってショーモードに入るパターンのものだある。このときだけの振り付けも存在していた。
パレードが始まる前、ゲストの誘導を担当するキャスト……主に専属かアトラクションからの応援……がいろんなアナウンスをしたあと、振り付けの練習などをするのだが、なんと、その中にまじって、カストーディアルキャストが踊っていたのだ。

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な、なんですか?

掃除道具は何も持っていないので、単純に振り付け指導していたのだろう。もちろん自主的ではなく、業務として。

……そういう姿を見つけると、元カストーディアルキャストとしては、さびしく思う。

カストーディアルはパークをきれいに保つことを任務としたキャストである。手品やダンスといった見世物は、魅せることを任務とするエンターテイメントの人たちに任せればよいのだ。
掃除をすること……その行いや技、キャストとしての行動が結果的にエンターテイメントとなっていればよいのではないか。カストーディアルはそもそも、そういう存在だったはずである。
それがなぜ、掃除とは関係ないことによって、「目立つ」必要があるのだろう。
それくらいなら、昔のようにスイーピングの大技を堂々とオンステージで繰り広げてほしいものだ。

笑顔で掃除……これがカストーディアルのエンターテイメント、のはずである。

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受信: 2006/06/30 01:33

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