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カウントダウン

大晦日・・・1年で一番多くのゲストが訪れる日であり、パークの中でもっともカストーディアルキャストが多い日でもある。
今回は、朝から終夜営業していた頃、つまりメールオーダーなどでカウントダウンのチケットを販売していなかった頃の話を中心に、大晦日のカストーディアルの活躍を記したい。
(ちなみに海外のディズニーのテーマパークで終日営業をしているところはない)

今でこそ大晦日といえば、夕方一回閉園してから、カウントダウンのために特別営業として夜に再オープンしているが、以前は完全終夜営業、朝9時にオープンしたあと、次の日の夜8時までずっと営業していた。もうパークは荒れ放題。ライン数も、31日のオープンから10以上の時間帯が設定され、平日・土日型関係なく、動員できるカストはすべて配置された。

現役のカストだけでは足りず、年末が近づくと、「今年辞めた元カスト」のところにオリエンタルランドから葉書が届いた。年末年始だけでも働きませんか、というのである。今年辞めた人なら、再トレーニングなしですぐに復帰できるからである。すでに大学を卒業して就職した人などにも届き、多くの「卒業生」がこの時期だけ復帰して、エリアで懐かしい姿を見ることができたものだ(最近は現役キャストでも多いくらいなようで、そういったことはない)

一番人気があるのは「スーパークローズ」と呼ばれる夕方7時くらいから、朝の6時くらいまで働くシフトである。陽が沈んでからオンステージに出て働き、陽が出た頃に帰るわけだ。

以前の完全終夜営業のときは、クロージング作業を開園中、ゲストが往来する中、トラッシュカンの内拭きをし、ベンチなどを「ふかせていただきますのでよろしいですか」とゲストを立たせて拭いたりしていた(今の通常のクロージング作業もそうらしいが)。
それでも、きっちり清掃することはできないので、元旦のエリアは荒れ放題。恥ずかしい限りである。
今は一度閉園するので、そのあとしっかりクロージング作業をして、それから終夜営業を迎えるようであるが、やっぱり元旦は荒れ放題。見るに耐えないエリアとなっている。

この日のカストーディアルは一日大変な思いをする。完全終夜営業のときは、夜のパレードも花火もふつうに行なわれた。そのころは当日券販売が行なわれていたので、朝からチケットを手に入れてずっと滞在しているゲストも多く、夜になるとかなりの混雑となる。
それでも、今よりもいいのは、夜のパレードが終わるとパレードルートは一時的にゲストはみんな立ち上がるので、清掃ができるのだ。今のようにオープンと同時にパレードルートの占拠に殺到する状況とは違っていた。ただ、ゲストの数はいつもとは桁違いに違うので、夜のパレードが終わるとカストーディアルは総動員、2輪カートもすべて出し、それでも足りず、ゴミ袋だけを持たせたキャストを何人も用意して、パレードルートに放置されたり、ゲストから手渡される大きなゴミを回収していった(ふだんはバッドショーなのでやらない)

花火はみんな城の前で見たいらしく、多くのゲストが移動していくので、一時的にエリアは空く。そのタイミングを見計らって、総出でエリア回復に動くのだ。
そうしているうちに花火は終わり、カウントダウンパレードの場所取りにゲストは動いていく。22時くらいになれば、パレードルートはゲストで完全に埋まり、カストーディアルが動ける範囲は狭くなってしまう。いっぽうで、一年で一番多くのキャストが配置されているため、一人一人の担当エリアはかなり狭いのだ。中にはポップコーンワゴン周辺だけとか、カントリーベアシアター周辺など、本当に狭い場所が割り当てられる。しかし、だいたいのキャストはその割り当てられた場所以外にも「オーバーラップ」といいながら進出して、縦横無尽に働いている。この日ばかりは、エリアなど、あってないようなものなのだ。

そして、カウントダウンパレードが始まる。以前の完全終夜営業のときは、パレードを見に来る人ばかりではなかったので、アトラクションや飲食店系などもかなりの混雑の中で新年を迎えたものだが、今は「カウントダウン」のために来ているゲストばかりなので、ほとんどがパレードルートとプラザに殺到しているらしい。いいのか、悪いのか、その光景を見たことはないのでなんともいえないが。

パレードが停止し、一通りショーを行なったあと、恒例の「ほたるの光」をゲストもキャスト一緒に歌う。そのときはカストーディアルも作業を停止し、脇の方に移動して一緒に唱和する。カストが動き回っているとうるさいからだ。

歌の後カウントダウン・・・・・・そして新年。パークはゲストの大きな歓声があふれ、たくさんの花火が打ち上げられ、新年の派手なショーが始まる。カストも活動を再開。

ショーが終わり、パレードが帰っていくと、長時間パレードルートを占拠していたゲストが動き始める。同時にカストも集結し、後処理を開始する。しかし、長時間占拠されていただけあって、パレードルートはごみの山。カスト総動員でごみを掃きとる、というより拾いながらパレードルートを往復して、なんとかスタンダードな状態に回復する。夜なので細かいゴミはもう気にしないのだ。

後処理が終わると、みんな元の持ち場に戻る。この時間になると、ナイトカストーディアルがデイカストーディアルのコスチュームを着て登場する。このとき、ナイトはスイーパーの仕事だけをするのだが、ダストパンの持ち方は逆手だし、ゲストに何か訊かれても答えられないし、「おつかれさまです」と挨拶しても答えないし。(今はないかな)
以前は午前二時から「夜のパレード」の正月バージョンが行われたのだが、今はないらしい。ゲストに何度もパレードルートを占拠されるのは困るということなのだろうか。

一方でゲストは、休む場所を探そうとパークを右往左往する。室内レストランは満杯。シアター系アトラクションは長蛇の列。アトラクションキャストは寝入ったゲストを起こすのに苦労をする。あのミート・ザ・ワールドですら、1時間以上の待ち時間となったのだが、もう昔の話となってしまった。

カストが苦労するのは寒さである。Pコートにマフラー、支給された使い捨てカイロを懐に入れて、思いっきりスイーピングをしても、底冷えの寒さに抗することは難しい。とくに陽が出る直前がもっとも寒い。風があったら最悪である。動き回っているカストですら寒いのだから、ゲストはもっとずっと寒いであろう。だから、カストはなんどもブレークをとるので、夜中はデイ・カストの姿を思ったほど見ないかもしれない。

しかし、一番大変な仕事はレストルーム(トイレ)担当である。いつもは当日の最初に何の担当になるのか言い渡されるのだが、大晦日は事前に伝えられる。レストはこの大晦日もっとも人気のない仕事であり、言い渡されたキャストの中には本当にドタキャンする人もいるくらいである。
なるべく、ずっとレストにならないように工夫はされるのだが、カウントダウンのときにレストになるのが一番つらい。ほかのキャストは外でゲストと一緒にカウントダウンしている中、へたをすると、孤独に一人便器と向き合わなければならないからである。カウントダウンのときくらい、レストは空くだろう、と思ったら大間違いである。女子レストなどは本当に大変な混雑なのだ。レストルームにある記録表に「12/31、24時00分」とあえて書き込んで、そのむなしさを表現するキャストもいた。

こうして、寒さと混雑と睡魔と倦怠感、そしてカウントダウンの余韻が漂うパークは新年の初日の出を迎える。

疲れて座り込んだり、ベンチで毛布にくるんで寝ていたゲストに陽射しがあたる。陽はビッグサンダーマウンテンの後方くらいから上がる。同時に昨日オープンシフトで入っていたキャストがまたオープンとして出勤し、そうすると始めるのがオープニング作業である。

霜が凍り付いたトラッシュカンを拭き、ゲストにはちょっとだけ立ってもらってベンチを拭く。陽が上がることによって、汚れきった地面が浮き彫りになってしまうが、もうどうしようもない。こうして、新年はじめのパークがはじまる。
陽が昇ると帰り始めるゲストも現れるが、初詣の後に訪れるゲストもいる。一日の営業が終了するまで汚れたパークはもうどうしようもない。

大晦日、元旦は、一年でもっとも汚れている日でもあるのだ。

こうして思い出すと、ゲストとしてカウントダウンをしにいくのは勘弁してほしいが、スーパークローズとして仕事をするのなら、もう一度やってみたいと思う。レスト、は勘弁してほしいけど。

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いろんな人の思いを乗せて、カウントダウンは過ぎて行くのです。 TDS ナーントナ [続きを読む]

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