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「カストーディアルの話」は、「すいーぱーのホームページ」というサイトの一部のコーナーです。
そのため、ここの更新はかなり不定期ですし、最近はサイト自体の更新も「たまに」となっています。

頻繁にこちらを訪れる皆様には、そのあたりをご理解いただき、ブログの更新を気長にお待ちいただくか、サイトの方にまずは足をお運びいただければと存じます。

すいーぱーのホームページ

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紙吹雪は舞い上がり

パレードというと、一般的には紙吹雪が付きもの、と思う人も多いのではないだろうか。
たまにテレビで見るアメリカ等での市街を進むパレードでは、四方八方から紙吹雪が大量に降り注ぐ、そんな光景を見たこともあるだろう。

でも、東京ディズニーリゾートでは基本的にはない光景だ。
昔、パーティグラパレードというものを開始するにあたり、当初はアメリカのパーク同様紙吹雪の使用が検討されたが、当時のカストーディアル課が反対して断念された、ということがあった。
その後、一部のイベントなどで「軽く」使われたこともあり、手作業が基本のカストーディアルで「掃除機」が使われたこともあったが、最近はないようだ。「スタンダードなパークの維持」という観点からすると、清掃が困難なものをイベントに使用されては困る、ということなのか、紙吹雪で派手に演出しよう、というアイデアがないのかはわからない。カストーディアルから見れば、紙吹雪はないほうがよいのは当然であろう。

でも、そんな既成概念?を吹き飛ばして、飽和紙吹雪攻撃を実施しているのがユニバーサルスタジオ・ジャパンである。現在行われているRE-BOOOOOOOORN(リ・ボーン)!・パレードはこれまで日本のどのテーマパークもやったことがないであろう大量の紙吹雪を使っている。見ていて壮観だ。すばらしい演出だ。これぞパレード、という光景だ。
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しかし、カストーディアルだった私としては、そのあとの処理を見ていると心が痛い。

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パレード終了後、紙吹雪を一掃することがそもそも難しい。掃除機を使ったとしても、あれだけ大量のものを処理するのは大変だ。というか、完全に清掃できるとは思ってないらしい。
だから、吹き溜まりには残っている。
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でも、それを承知でUSJは紙吹雪を振りまいているのだ。

果たして、正しい選択をしているのはどちらのテーマパークだろうか。


少なくとも、カストーディアル(掃除人)としては、紙吹雪はいやだ。

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カストーディアルが消えていた

気が付くと、カストーディアルが消えていた。

運営会社の組織図から。

組織図。

以前は、運営本部の下に「カストーディアル部」が存在していた。ところが今年の6月の組織再編でカストーディアル部は解消され、パークサービス運営部という組織に統合されてしまったのだ。つまり、カストーディアルという掃除の組織は、パークサービスという中の一つの役割となった、ともいえるだろう。

東京ディズニーランドができた当初から東京ディズニーリゾートに発展するまでは、ゼネラルサービス部カストーディアル課だった。ゼネラルサービス部にはセキュリティ課も一緒だった。それが「部」に昇格し、ランドとシーそれぞれのグループを造り、でもそれが一体化され、そしてカストーディアル部自体が消えてしまったという流れだ。

昔に比べるとカストーディアルのキャスト数も大きく減ってしまった。一つの大きな組織として存在するほどの人員規模ではなくなったのだろう。

これからカストーディアルはどうなっていくのだろうか。

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カストーディアルが死んだ

本日、こんなニュースが飛び込んできた。

ディズニーシー内、水路を清掃中の男性死亡

27日午前5時半頃、千葉県浦安市舞浜の東京ディズニーシー(TDS)のアトラクション「ヴェネツィアン・ゴンドラ」(16人乗り)の水路で、清掃作業をしていた同県習志野市袖ヶ浦、アルバイト宮沢司さん(46)が沈んでいるのを別の男性作業員が発見した。

彼はナイトカストーディアルだと思われる。同日午前0時頃から、現場近くで桟橋に水をまき、モップを使って清掃していたという。ホージングですね。
閉園後、パーク内を毎日水をまいて洗浄し、地面はスクイジーで水を流すが、橋などスクイジーを使えないところはモップを使って拭き取るのである。

ナイトカストーディアルは孤独な作業が多い。真っ暗なパークの中、清掃用の照明で照らしながらあちこちに分かれて自分の持ち場を掃除する。一人の作業が多い。とくに、このヴェネツィアン・ゴンドラあたりはホテルのすぐ近くであることから、あまり強力なライトを点灯することもできず、暗い中でがんばっていたのではないかと推測できる。

詳細はまったくわからないため、ニュースソース以上のことは推測くらいでしかいえない。

ニュースでもあるとおり、東京ディズニーリゾートでは開園以来キャストの死亡事故は起きていなかった。その最初がカストーディアルで、作業中に起こるとは思ってもいなかった。

ナイトカストーディアルはもともと外注で、今は運営会社の子会社も含めて多数の会社に所属するアルバイトの人たちが担っている。彼らはゲストに目を触れることなく、常にパークを清潔な状態にしてくれる存在であり、彼ら(女性は見たことない)なしではディズニーのテーマパークは成り立たない。
私がカストーディアルだったとき、開園前に彼らとすれ違いにオンステージに出る。そこはまったくきれいなパークだった。たまに、残水処理が終わらず一緒になって水を流して開園に間に合わせたこともあった。デイであろうと、ナイトであろうと、同じカストーディアルなのだ。

なぜこんな事故が起きたのかきちんと検証してもらい、キャストにとっても安全なテーマパークであってほしい。

宮沢さんの冥福をお祈りいたします。

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現実は夢の終わりに

ディズニーのテーマパークはテーマに合わせてエリアごとに街並みや風景、小道具までしっかりと作りこまれている。
しかし、トイレ(レストルーム)だけは、どこにでもあるふつうのトイレである。
サンリオピューロランドやUSJのウィザーディング・ワールド・オブ・ ハリー・ポッターエリアにあるトイレはテーマ性にあわせた工夫がみられる。
一方、東京ディズニーリゾートにあるトイレはBGMすら流れていない、ごくふつうのトイレである。

なぜだろうか。

私が社員の方に聞いたところ、「トイレは現実そのものだから」という答えが返ってきた。

たしかにどんなに装飾しても、どんなに楽しげな音楽を流して非日常を演出しようとしても、排せつ行為は人間にとってもっとも現実的なことである。
だからこそ、トイレだけは現実に戻して、そこから出ればまた非日常空間になる、という状況を作ろうとしているのだろう。

トイレは現実そのもの……カストーディアルキャストとしてレストルームを担当したことがある人ならわかるだろう。
たとえば……という話はだいたい汚い話なので残念ながら書けません。それだけカストの仕事は大変なのだということです。

でも、一つだけ。

昔、ゲストから手紙が届いた。それは、カストーディアルが便器を掃除するときにトイレットペーパーを使っていることを批判したものであった。もったいないという主旨の指摘であった。

最近では自宅でもトイレットペーパーに洗剤をつけて拭くことをしている人も多いのではないだろうか。

東京ディズニーリゾートでも、今もやっているだろうか(やっていなかったら誰か教えてください)。

カストーディアルがトイレットペーパーを使って便器を拭く理由は大きくわけて3つ。

1つは、使用するものが「くずペーパー」と内部では呼んでいるものである。半分以上使われていて、次に巡回するときにはなくなっているだろうと思われるものは外して新しいトイレットペーパーに取り換えるのだが、そのとき外したものを使っている。捨てるよりも有効利用ということだ。

2つめは、衛生面だ。雑巾で拭くよりもはるかに衛生的である。

3つ目は効率。雑巾だと洗ったりしないといけないが、トイレットペーパーなら拭いてそのまま流してしまえばいい。それに便器を拭く専用のペーパータオルを購入するよりはるかに経済的なのだ。

以上の理由からトイレットペーパーを清掃に使っているのである。多分当時もそう回答しているはずだ。

おかげで私は今も自宅の便器はトイレットペーパーに洗剤をつけて拭いている。最近は拭いて流せるペーパーみたいなものを売っているけれど、トイレットペーパーの方がはるかに経済的ですよ。

ただ違うところは、自宅のトイレから出ても、そこに夢はないということか。

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掃除機がパークを覆うのか

カストーディアルといえば、トイブルーム(ほうき)とダストパン(ちりとり)で掃除をするのが基本であった。
しかし、とうとう、今日から機械化されることになった。

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最先端の屋外用掃除機を導入することで、キャスト不足にともない混雑時に汚れたままとなっている地面をきれいな状態で維持するとともに、さらに人件費等のコストダウンを行い、キャッシュフローの充実につなげるつもりである。

……無理矢理の4月1日企画です。
掃除機を本格的に導入する予定など、たぶんないです。
画像は、かなり昔に試験的に導入したときのもの。

トイブルームとダストパンを使った掃除はカストーディアルのいわばパフォーマンスであり、しばらくはなくなることもない。
掃除機の導入も費用対効果の問題や、使い勝手、さらに安全性の視点から結局は導入されないまま、今日まできているのが現状である。

しかし、「ディズニーランドは永遠に完成しない」といわれているように技術革新にともない、さまざまなものが新しくなっている。カストーディアルの清掃道具もいずれハンディ掃除機になるかもしれない。

でも、それでは、つまらないですよ。そういう意味でカストーディアルは今後も「掃除」のパフォーマーであってほしいものである。


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キャストの仕事

「キャストの仕事」という本をご存じだろうか。

東京ディズニーリゾートはじめての公式キャスト本、と銘打っているこの本は、バックステージではたらく職種も含めて、ほんとうに全部のキャストのことが掲載されている。
そのうち、アトラクション、マーチャンダイズ、フードサービス、そしてカストーディアルについて特にフォーカスをあて、詳しく書かれている。

もちろんここでは、カストーディアルについて取り上げる。
6ページにわたり、かなりくわしく書かれている。

1ページ目は基本装備。トイブルームやダストパンだけではなく、ファンバックのことまで書かれている。

2ページ目は「こんな仕事をしています」ということで、パークの清掃ではトイブルームの使い方、2輪カート(本ではカートと表記)のごみ回収まで書いてある。

3~6ページはカストーディアルキャストの1日に密着ということで、朝礼から仕事の終了まで、オープニング作業やフロアスクイジーのこと、スイーピングのコツ、レストルーム清掃やゲスト対応の基本など、もちろん基本的なことだが、今まで公にしていなかった用語などを公式本で書かれているのが驚きだ。

もう、このブログやホームページもいらないかもしれませんね、公式でここまで公開されるようになっては。

もちろん、この本で書かれている部分について、もっと詳しい話はこのブログなどに書かれているので、本を読んで興味をもった人はこのブログにホームページを見てもらうか、実際にカストーディアルになったらよいのかと思います。

そういえば、本にはこんな問題が書かれていました。
「風が強い日に、外でお仕事をしています。どんなことに気をつけたらいいでしょう」
「地面にジュースがこぼれていました。どうしましょう」

実際は3択問題です。私はもちろん、ちゃんと答えられました。
正解は……本をみてください。

しかし、この本のターゲットって誰なんでしょうね。私は堪能しましたが。

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洗剤

カストーディアルは開園中も閉園後もさまざまな洗剤を使って、パークをきれいにしている。

ベーシックなものは透明の容器の洗剤ボトルに入れて、拭き掃除などに使用する姿を開園中も見ることができるだろう。その洗剤はきれいにするだけではなく、除菌の働きもあるものだ。
それ以外にも必要に応じてさまざまな洗剤を駆使して清掃をしている。ただ、ほとんどはゲストが観ることはできない。だいたいは閉園後、ナイトカストーディアルがそれらを使って、よごれたパークの隅々を清掃するからである。
それだけではなく、メーカー名の入ったような洗剤を開園中に使うことは禁止されており、どうしても使わないといけないときは、雑巾などで覆って使うことになっているのである。

洗剤の種類や使い方はカストーディアルにとって重要なので入社後の研修で学び、最後のテストでもかならず出題されるものとなっている。

では、特別な洗剤を使っているのだろうか。
そんなことはなく、一般的な業務用洗剤を使っている。東京ディズニーランドができた当初はアメリカのマニュアルに従って外国のものを使っていたが、徐々に必要に応じて使うものを変更して、今にいたっている。

メーカーとかは書くわけにはいかないので、ホームセンターなどで売っている洗剤を一部載せます。
これを使っているというわけではないですよ。
あくまでも参考です。本当です。

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朱色のトイブルーム復活?

現在、朱色のトイブルームを持ったカストーディアルが東京ディズニーシーに出現中。
昔のものとは若干違うのだが、懐かしい光景。
でも、現在の黒のトイブルームと違い、素材はすべて木材なので若干重く、使っている人は違和感があるかもしれない。
これは、とあるイベントにからんでいるので、7月いっぱいしか見られない光景である。
観に行くのなら、今のうち。
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カストーディアルを作り上げた人は

ディズニーのテーマパークは東京だけではなく、どこでも、常にきれいに掃除がされている、というイメージがある。実際に、ウォルトは清潔なパークを作ることを最優先課題としていた。
ウォルト・ディズニーがディズニーランドを作ろうと思ったエピソードは有名だが、当時の遊園地は汚いのが当たり前だったようだ。

ウォルト・ディズニーがロサンゼルスのアナハイムにディズニーランドを作ったとき、清掃にはかなり力を入れるつもりだった。
当初、企業としては当然のごとく清掃は外注しようとした。しかし、外注先はウォルトが望むような対応ができなかった。ウォルトは、パークが常にきれいな状態を維持することを望んでいたが、外注先の企業は、契約に従って決められた時間に決められた清掃をするだけだったのだ。それでは、何かの拍子に汚れたとしても、すぐに対応はしてくれない。

「これではだめだ」と思ったウォルトは、ディズニーランド開園の年に外注ではなく直営による清掃を決断した。それが、カストーディアルの誕生である。その中心となるのが、ディズニーレジェンドの一人であるChuck Boyajian氏。ウォルトはチャックに、パークを常に清潔にしておくことを任せた。
ウォルトはただ任せっぱなしにしたわけではなく、常に清潔な状態とはどういうことか、繰り返し説明し、どういうイメージなのかを話しつづけた。
イメージだけではなく、豪華客船や高級ホテルが提供する質の高いサービスを例に話したりしたようである。

こうしてウォルトの薫陶を受けたチャックは、これまでにない画期的な清掃を開始した。それは、パーク開園中に清掃を行い、常に清潔な状態を維持管理する……「custodial」の誕生である。
もちろん、チャックだけではパークを常に清潔にすることはできない。彼は清掃チームを作り、訓練を重ねることによって、ウォルトの理念を実現したのだ。

チャックはアナハイムだけではなく、フロリダのウォルト・ディズニー・ワールド開園のときもカストーディアルの指導者として、訓練の先頭に立った。1981年にはいったん一線を退いたが、1983年、アメリカ以外、それも直営ではなくライセンスによって、東京ディズニーランドができるときに現役復帰し、日本人のトレーナーたちを指導した。少なくとも、東京ディズニーランド開園から10年くらいは、チャックに教えられた人たちが、TDLのカストーディアルをけん引していたのは事実である。

チャックは2004年8月1日に亡くなった。彼は2005年に「Disney Legend」に選ばれている。

チャックがいなくても、ウォルトの情熱と信念によってカストーディアルは誕生していただろう。しかし、今のような姿ではなかったかもしれない。
ただ、アメリカのパークのカストーディアルはチャックが作り上げた姿からはずいぶん変わってしまったように見える。さて、東京ディズニーリゾートのカストーディアルを今、チャックが見たらどう思うだろうか。

Chuck Boyajian氏とは

Disney parks blog

チャック氏から直接指導を受けたエピソードも入った鎌田洋氏による本。

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カストーディアルメソッドとは何か

すっかり更新が滞っていますが、一つにはオフィシャルも含めてカストに関する情報があふれていて、もう発信しなくてもいいかなぁ、と安心している部分がある。

最近出版された本に「ディズニーの片づけ」という本がある。著者は、TDLのカストーディアル部長を務めた安孫子薫氏だ。

この本は「片づけ」というテーマになっているが、その多くはカストーディアルに関する話となっている。中には、私がブログで書いている断片的なものを明快に説明している部分もある。

それに、「マニュアルに縛られない」とか、オーバーラップシステムの効果、ユーティリティティー清掃のことや引き継ぎなど、まだ書いてない部分もあって、そんなこともあったなぁ、と改めて思い出す。

それに有名な「赤ちゃんがハイハイできるレベル」という清掃の基準が本家のディズニーにはなく、TDR独自の基準であると説明しているのも、この本が初めてではないだろうか。

一方で「ディズニーの片づけ」というタイトルとカストーディアルの話をくっつけるのには少し無理があったように思う。「カストーディアルメソッド」なる怪しげな言葉を使っているが、掃除と片づけは似ているようで違うもの。この本でも結局最初から掃除と片づけを並列に扱っており、掃除=片づけではないことを最初に明らかにしている。それでもこのタイトルにしたのはきっと、企画の側の問題なのだろう。
この本ではいろんなことを細かく説明しているが、結局のところ片づけは目的をもってやらないとだめですよー、ということを余計な話をいろいろと付け加えてくどく説明しているに過ぎない。

そういう意味ではあまりお勧めできない本である。

ただ、OLCで要職を務めてきた方の本だけあって、その余計な話はとても興味深いものである。
「片づけ」という言葉にひっかかることなく、読んでみるのもいいのではないだろうか。

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